80代でもう歩くことができないoさん。
「寝たままそのまま逝けばいいけど、目が覚めるんだもん」と窓に向かっていう。
「先生にね、私食べるのも大変だから食欲増進剤入れないでねって言っても聞かないんだから」と笑う。
「私これまで何にも悪いことしなかったのに、何でこうなったのかねぇ」とつぶやき、
「でも地震や津波で全部流された人たち思ったら、神様は人間を選んでいるんじゃないってわかるさね」と自分で納得している。
ベッドに寝ておむつを当てられ自分の不幸を嘆くおばあさんに、私は何にも言えない。
だが最後におばあさんは私に、「ありがとうね」と笑顔をむけるのである。